収益物件の運用利回りを知る 表面利回りと実質利回り

収益物件の運用利回りを知る 表面利回りと実質利回り
先行き不安の社会情勢から、「自分のお金は自分で増やす」という時代になってきました。さまざまな投資商品の中でも、依然として人気なのが「不動産投資」です。世界中で投資の中ではリスクが少ないと言われ、節税にも効果があります。

投資物件の売買を見ると“利回り〇%”と必ず書いてあります。相談に来られるお客様は、「条件は利回り〇%以上」と話されることは少なくありません。では、一言に“利回り”が高いことが購入の目安になるのか見ていきましょう。

不動産の利回りとは? 正しく知って買得を見逃さない

不動産の利回りとは? 正しく知って買得を見逃さない
利回り(年利回り)とは、投資額に対して1年間あたりの収益(リターン)がどのくらい出るのかをはかる指標です。
預貯金や株式、債券、投資信託などの投資商品では当たり前に使われる言葉です。不動産投資の場合は、収益物件が満室になった状態として利回りを計算します。

式にすれば、

不動産の利回り=収益物件満室での年間賃料÷不動産の購入価格×100(%)


これを「表面(グロス)利回り」と呼びます。

例えば、
・Aアパート⇒2,000万円で購入した収益物件の年間賃料200万円
利回りは⇒10%
・B戸建て⇒5,000万円で購入した収益物件の年間賃料400万円
利回りは⇒8%

AとBの表面利回りだけを見ると、A物件がお買い得に思えます。

しかし、不動産投資では初年度に必要な経費や年ごとに掛かる諸経費は変わってきます。
年ごとに必要な経費は変化するので、不動産会社では「表面利回り」を使っていますが、実際にはランニングコストなどで財布から出ていくお金を計算する必要があります。

この経費を含めて計算すると以下の式が成り立ちます。

実質(ネット)利回り=(収益物件満室での年間賃料-年間諸経費)÷不動産の購入価格×100(%)


Aは諸経費100万円、Bは50万円だとすると、
利回りは、A5%、B7%になります。

一見、お得そうに見えても表面利回りで購入を決めてしまうのはおすすめできません。
実質利回りを細かく計算することで、他の人が見逃していた優良投資物件を見付けるきっかけになります。

実質利回りと物件選びのポイント

実質利回りと物件選びのポイント
不動産投資は広告の表面利回りだけで判断できませんし、実は実質利回りだけでも及第点ではありません。
まず、実質利回りを掘り下げていきましょう。

分かりやすい例えだと、新車と中古車を比べてみるといいでしょう。
値段が一定の新車と同じ中古でも金額の差が大きい中古車。
一見、お買い得と思った中古車でも、エンジンの調子が悪く、すぐに多くのパーツ交換が必要だった場合には、不動産で言う「表面利回り」が高くても「実質利回り」が低いと言えます。走行距離、修復歴、車検切れか残っているのかで判断できるように、住宅も同じように検討しなければなりません。

新築なのか、手の入っている中古物件か、前オーナーが全く手を入れていないのか。
表面利回りと実質利回りの差ができるだけ少ない投資物件選びが重要です。

例えば、1,000万円以下で利回り20%の広告を見れば、全く投資に興味のない人でも飛びつくでしょう。しかし、設備や修繕費で大赤字になるかもしれません。また、家賃が相場とずれている、そもそも需要のない物件かもしれません。

実質利回りを計算した上で、物件の
  • 空室率
  • 入居期間
  • 家賃相場
  • 修繕、設備
  • 賃貸需要
  • 治安
  • プラス差別化をはかれる物件なのか
などなど。
インターネットにアクセスすれば数字の部分はいくらでも出てくるでしょう。しかし、実際に足を運んで、数字に見えてこない部分を含めて検討すれば、見えてくるものが多くあります。

実質利回りをできるだけ高くするためのアイデア

実質利回りをできるだけ高くするためのアイデア
近年では、預貯金の利回りの低さ、老後の生活のご不安から年金とアパート収入での暮らしを探されている方が増えています。

年金を軸にされるとしても、不足分を長期的に安定して得たいという思いはどなたにもあることです。その中で、インフレに強く、投資の中では確実で安全と言われる「不動産収入」が選ばれているのだと感じています。

とくに、1,000万円以下の収益物件に人気が集まっています。
ここで選ぶポイントとして、表面利回りと実質利回りの差が少ないことはもちろんですが、
  • 固定資産税の安い構造
  • 火災保険料が安くなる構造
  • 管理費が相場内なのか
なども選ぶポイントになってきます。

また、一棟買いの場合は、
エレベーターがあるのとないのでは、維持費が大きく変わってきます。
一口に収益物件と言っても、さまざまな判断材料があります。

よくご検討されて、目標に向かって投資の一歩を踏み出していきませんか。

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