収益物件を長く運営するなら木造の方がいい?

収益物件を長く運営するなら木造の方がいい?
「木造の物件って人気がないから収益物件としては微妙なのではないか?」とお考えの方もいるでしょう。確かに今最新で人気の物件といえば鉄筋が多いのは事実ですが、安い物件を探している入居者にとって木造建築は魅力があります。木造であっても、修繕によって清潔な見た目や機能的な部屋にリフォームすることは可能です。

収益物件として木造物件を運用するメリットもあるので、状況や戦略によってうまく活用する方法を考えていくと良いでしょう。

木造建築の収益物件のメリットは安いコスト

木造建築の収益物件のメリットは安いコスト
木造建築の収益物件は中古にしても新築にしても購入金額が安いので初期投資が少なくて済むというのがメリットです。そして、木造物件の法定耐用年数は22年と短いため、もし築23年以上の木造物件であれば実質土地代のみで購入できてしまうわけです。

「でも古い木造物件だったら修繕が必要だし、外観も悪いだろうから結局高くつくんじゃないか?」という考えに至りますが、実際、木造物件の場合は修繕費・改装費は驚くほど安いです。十数万円〜五十万円程度で大方の補修はできてしまいますし、一部の修繕であれば数万円だったということも良くあります。これが鉄筋物件だと数百万単位でかかることはザラなので、仮にメンテナンスをする箇所が一次的に多かったとしても、コストは木造の方が安く済みます。

また木造の集合住宅の場合、鉄筋と違って木造は高層にはできません。木造のアパートというと2階建てが多いのは強度の問題があるからです。逆に言えば、たくさんの住人が住んでいる鉄筋マンションのように、共用スペース、受水槽、浄水槽、駐車場、大規模な受電設備などを独自で設置する必要がないため、やはりコストがかからないというメリットがあります。

また、もし建物を解体する場合も費用が非常に安く済みます。そもそも木造の中古物件の場合、建物自体の資産価値は低い場合が多いので、解体して別の建物を立てるとか、単純に更地を売却する等の選択の幅が広いのもメリットです。

木造建築の収益物件のデメリット

木造建築の収益物件のデメリット
木造建築の収益物件のデメリットはメリットの裏返しになります。まず、コストが安いかどうかはともかく、中古であれば特に鉄筋よりも手がかかります。不動産会社や店子から建物や設備に関するトラブルの連絡が頻繁に入る可能性がありますし、修繕となれば業者対応もしなければなりません。日中の仕事や他の事業等で多忙な方の場合は実際に払うお金以上に割く時間や労力をコストだと考える方もいるでしょう。

また、収益という面では鉄筋よりも薄利になります。集合住宅の場合、木造だと高層には作れないため同じ土地の広さでも部屋数が少なくなり、家賃収入が鉄筋よりも少なくなります。

木造の中古物件の場合、建物自体の資産価値は非常に低くなるため、土地自体の価値がある程度見込めなければ、収益物件購入時に銀行からの融資が受けづらいというのもデメリットです。木造の法定耐用年数は22年のため、償却のスピードが早く建物の資産価値が減っていくスピードが早いです。仮に収益物件としてうまくいかず売却する場合に、希望する価格で売却するのは難しいということもあります。

木造の収益物件のコツは細く長く

木造の収益物件のコツは細く長く
・木造の収益物件はコストが安い
・木造の収益物件は収益性・資産価値が鉄筋と比べて低い
という特徴があるのがわかりました。この特徴を踏まえると木造の収益物件は購入の時点で売却等を視野に入れた短期的な運用には向いていません。建物としての価値が見込めないからです。将来的にこの土地自体の価値が確実に上がるから、収益物件の収益性は実は二の次で土地を抑えたいということであればいいかもしれません。そういう特殊なケースでもない限り売却目的での木造の収益物件の運用はあまりおすすめできません。

ですので、購入・運用ともにコストが安いことを最大限生かして、長期的に収益物件として運用するのが理にかなっています。長期的に運用していく中で、状況によっては解体して別の建築物にしたりという選択を取って行けば良いのです。

ページトップへ